SS徒然未分類リネ日記
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2007.04.08 Sun
ある日の帰り道。

横島が何気に道端を覗くと………そこには巨大な卵が落ちていた。

……………………
………………
…………
……

「あきれた?それで拾ってきたわけ?」

とは同居人(?)のタマモ(本名?タマえもん)の評である。
普段マヌケな発言が目立つ彼女であるが、この評は正しい気がする。

「しかたなかったんやぁ!動物性タンパク質が不足してるのがいけないんやぁぁ!!」

タマモが同居してから、ポケットから食材が提供されるので、とにかく飢えることだけは無くなった横島だが、毎日お揚げ中心のメニューである。無論肉類など皆無。

その分、生活費が浮いているので、それで肉などを買えばいいと思うのだが、浮いた経費が横島の夜の秘密アイテムなどに消えているのは極秘事項だ。


「まぁ、これだけ大きな卵だったら玉子焼きにしても相当あるわね」

拾ってきた卵をまじまじと見る。
でかい、相当でかい。ダチョウの卵なんて目じゃないくらいの大きさだ。
卵に浮かぶマダラ模様なんてとってもセクシーである。

「んだな。とにかく割ってみるか」


そして、横島がこの見るからに怪しげな卵を些かも躊躇せずに食そうとして、殻を割ろうと持ち上げた時であった。

…パリ…

「フランスの首都ね」

…パリパリ…

「横島の下着ね」

「どぉせ俺はよぉぉぉ!!!」

…パリパリパリ…

そんな音を立てながら、みるみるうちに横島の持っていた卵にひびが走る。

「おわ!なんだ?」

「ばかね、生まれるに決まってるじゃない」


んで

「びー」

二人の目の前には恐竜の赤ん坊が鎮座することとなった。






  ~ タマえもん  忠夫の恐竜 ~






「ここで、大長編なのか?!」

「それはないでしょ?壊れだし」

失礼なことを言っている二人組がいるが、とにもかくにも目の前には恐竜の赤ん坊がいた。

「…で、どうするの?これ?」

「ん~………………………………まぁタンパク質ではあるが」

その言葉に恐竜の体がビクリとおびえたように震える。
そして、二人を見つめ「びー♪びー♪」などと泣きながら(誤字にあらず)『可愛い光線』の照射をはじめた。
生物は生きることに必死なのだ。

……………………
………………
…………
……

「さすがに食うのは可哀想になってきたな」

恐竜の赤ん坊と横島との間にどのような戦いがあったかは筆舌に尽くしがたい。

だが、恐竜の赤子は生き残った。
生まれたばかりだというのに、なにやら全てをやりとげた老人のような雰囲気を醸し出しているのが痛ましい。

「それじゃ飼いましょうよ」

「お前……どうみてもこれは恐竜だぞ?んなもんを飼うのか?」

確かに言うとおりである。なんという種類かは分からないが、恐竜なのだから成長すればとんでもない大きさになるのは鉄板だ。

「だって」

「?」

「昼間とか暇だし」

「働きやがれぇぇぇぇぇ!!!!」

というような紆余曲折を経て、横島邸に新たなる同居人(?)が増えた。


○横島の日記

 ×月3日 晴れ
  今日、卵を拾った。食おうとしてたら恐竜が生まれた。
  かなりの葛藤があったが、結局食べるのは断念した。
  タマモが言うので成り行きで飼うことになった。
  「ビー助」と名付ける。

 ×月7日 くもり
  ビー助はすでに体長1mを超えた。タマモが『成長促進だし汁』なる
  怪しげなものを使ったらしい。
  座布団が気に入ったらしく、常にそれを占有している。

 ×月12日 雨
  ビー助は肉食みたいなのだが、タマモの教育(折檻)により、今ではすっかり
  お揚げもうどんも平気だ。
  ヒレをつかって丼を持ちつつ汁を飲む姿なんぞ中々様になっている。

 ×月23日 晴れ
  ビー助はすでに体長5mを超えた。
  最近、生まれた時の記憶があるのか復讐に俺を食おうとするの。
  毎日が戦いだ。

…そんな微笑ましい生活を送っていた二人と一匹(もしくは一人と二匹)であったが。




「びぃぃぃぃぃ!!!!!!『嫌じゃぁぁ白亜紀帰るぅぅぅぅぅ!!!!!』」

横島邸にビー助の絶叫が木霊した。
魂(霊力)のこもった言葉は種族を超えて通じるのだ。

「どうしたのよ?ビー助」

ビー助は座布団に突っ伏したまま、ヒレでテレビを指し示した。

『恐竜絶滅の真実』

特番でやっていたらしい。

『つまりこの世界にはフタバスズキリュウの雌が居ないんやぁぁぁ!!!!』

…困ったことにビー助は、すっかり宿主に似てしまったようだ。

「んなこと言ってもなぁ~。明日動物園でもいくか?ワニくらいいるぞ」

『ワニに欲情するかぁぁ!!!!』

ビー助が動物園にいったら、間違いなく捕獲されるであろうことは、すっかり失念されてしまっている。残念ながらビー助は『未来からきた○○』ではない。
タマモといることで、どうやら横島の常識はいくつか壊れてしまったようだ。

「同じ爬虫類だろうが」

『…お前はチンパンジーに欲情するのか?』

……………………
………………
…………
……

「…すまん。俺が間違っていた」

『わかればいい』

なにやら男同士の友情が種族を超えて芽生えたらしい。




「よし!ここは一発、ビー助を白亜紀に帰してやるか!」

そろそろ食われそうだしな…などとは勿論口に出さない。

「ん~、まぁビー助がそのほうがいいなら仕方ないわね」

『うぉぉぉ!!これでワイも姉ちゃんの首、ヒレ、尻尾が拝めるんやぁぁぁ!!!!』

どうやらフタバスズキリュウは『首』『ヒレ』『尻尾』に欲情するらしい。


「それじゃあタマモ、タイムマシンを出してくれ」

横島は至極当然にそう言った。

しかし

「あ、それ無理だから」

「『なんでじゃぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!』」

まったく横島達の憤りも当然である。
仮にも『未来からきたキツネ型妖怪』なのであるからして、タイムマシンでもなければ未来からこれない訳なのだから。

「エンジンがないのよ」




というわけで美神のところに来た。

「で?私にタイムマシンのエンジンやれっての?」

タマモが言うには、彼女の持っているタイムマシンは『でっかい丼』であり、そのエンジンには『時空移動能力者』がエンジン室に座っていないとだめらしい。
というか、丼自体はなんの能力もない瀬戸焼の一品である。すべて『時空移動能力者』によってタイムスリップする素敵メカ(?)なのであった。

では、彼女はこの時代に来るときはどうしたのであろうか?

「宇宙の神秘ね♪」

…ということらしかった。


「とにかく!そんな一文にもならないこと御断りよ」

事務所に顔を出した横島とタマモが連れていたビー助に当初たじろいだ美神であったが、そこはさすがに美神令子。
金にもならない面倒ごとはキッパリスッパリ御断りである。


「…こうなったら最後の手段ね…」

タマモは口の中でそう呟くと

「『揚げトリックス』♪」

と、ポケットから怪しげなグローブ(材質お揚げ)を取り出し装着した。

※タマモの秘密道具講座
 『揚げトリックス』っていうのは「どんなものでも操り人形のように操作できる」
 という道具よ。元ネタは某ネコ型ロボット先輩の「アヤトリッ○ス」ね♪


そして、グローブから伸びる糸を横島に取り付けると

「逝け!横島!」

とばかりに操縦を開始する。




一方、操られている横島であるが、突然手足が勝手に動き出したかと思うと、御断りモードで背を向けていた美神を後ろから羽交い絞めし、その立派なバストを揉みしだいていた。
さらに、止めとばかりに美神のスカートに手を伸ばし『ガバチョ』とおへそ付近まで持ち上げてしまう。

…問題は途中から操られていたのかどうか分からなくなってしまった所ではあるが。


横島は今幸せだった。
至福といってもいい。

やわらかい胸の感触が触覚を侵食し、魅惑的な下着が視覚を圧倒する。
さらには至近から立ち込めるなんともいえない良い匂いが嗅覚さえ刺激しているのである。

だが、世界は等価交換、もしくはジャイアニズムが支配するのだ。
こんなことを『の○太』である横島なんかが仕出かしたら一体どうなるのかは自明の理。

突然、室内だというのに暗雲が立ち込める。
凄まじい黒いオーラーが横島の目の前の人物から立ち上り、全てが黒く染まった……。

「こぉぉぉ~のぉぉぉ~エロガキがぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!」

轟く雷鳴!!
しかし、タマモが狙っていたのは、まさにこの瞬間だった。

「ポチッとな♪」

愉快な掛け声と共に、三人と一匹(もしくは二人と二匹)の姿は、美神除霊事務所から消失したのである。








青い海、白い砂浜、人の手が入っていない大自然、うちあげられたバンダナ少年のどざえもん。
ここは白亜紀、恐竜達が主役の世界である。

横島達はお約束の力によって、あのような手段で白亜紀にやって来てしまっていたのだ。

「まったく。どうするのよこんな時代までやってきちゃって!」

怒りのパワーは、かなりGジャン少年に対する折檻で発散されたが、まだ不足といった表情で美神が噛み付いてきた。

「まぁ、帰りは宇宙の神秘でサクっと帰れるわよ。それよりビー助、よかったわね?
 ……ビー助??」

ふと辺りを見ると、ビー助の姿が見えなかった。
しかし、遠くの方から声が聞こえてくる。

『ね~ちゃぁぁぁぁん~~!!!姉ちゃんやぁぁぁ!!ほんまもんやぁぁ!!!!』

『『『イヤぁぁぁぁ変態ぃぃぃぃ!!!!』』』

……………………
………………
…………
……

なんというか、ものすごく脱力しながら帰る準備をしていた美神達であったが、そんなところにビー助が帰ってきた。
なんか、頬のところに真っ赤なヒレの跡がある。

『ここはアメリカだからモテないんや!!舶来もいいけどやっぱ大和撫子なんだよぉぉ!!!』

なんと、ここはアメリカ大陸らしい。
どうやら恐竜達の間でもここは『アメリカ』で日本は『日本』であるらしかった。


「まさかここから元ネタに従って、大陸渡るとか言い出さないでしょうね……」

「ん~、面倒くさいからそれは嫌ね」

タマモはそう言うと、おなかのポケットをごそごそし始めた。

「『どこでも引き戸』♪」

出てきたのは『どこでも引き戸』。

「ちょっと待ちなさいよ!それ豆腐屋&うどん屋&すし屋など揚げ関係の所しか行けないじゃない!だいたいオリジナルですら白亜紀の地図が入っていないのよ?」

ここは白亜紀、人間の居ない太古の世界だ。間違っても豆腐屋等が存在するはずがない。




しかし




引き戸を開けると、でかでかと『うどん処 白亜庵(東京本店)』と記載された1件のうどん屋が立っていた。白亜紀の浜辺にである。

「白亜紀グルメMAPは入力済みよ♪」

「イヤぁぁぁぁ!!!なんだかとってもイヤぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」


暖簾をくぐると、恰幅のいいティラノサウルスが煙管をくわえて無愛想に言ってきた。

『うちには”かけ”しかないぜ』

白亜紀でもコダワリの頑固親父の店らしい。

「三杯頂くわ」

手馴れた動作でティラノ親父は三杯のかけうどんを作り、カウンターに置いた。
タマモは代金として『お揚げ』を三枚置くと、かけうどん受け取り、ビー助と膝を抱えて泣いている美神に渡す。
自分のには勿論あとづけでお揚げを入れる。
とても美味だった。

……………………
………………
…………
……

「さて、そろそろお別れね」

うどんを食した二人と1匹(もしくは一人と二匹)は黄昏の海岸で沈む夕陽を眺めていた。ちなみに、内一人は未だに膝を抱えて精神に鍵をかけていたりする。

『一月にも満たない間だったけど……楽しかった…かな』

「そうね、わたしも楽しかった…かもね」

二人(?)は夕陽を見つめたままの姿勢でそう言った。

『…じゃあ行くわ俺』

「うん」

そう言うと、ビー助は海へと向かい、そのまま沖の方へと泳いでいった。

その間中、ビー助は決して振り向かなかった。
その間中、タマモは決して視線を外さなかった。

……………………
………………
…………
……

そして、夕陽が完全に水平線に没する頃、ビー助の姿は見えなくなった。

しばらく動かなかったタマモであったが、空に流れ星が3つほど降った後、横を向いて言った。

「さて、帰りましょうか♪」

良い笑顔だった。




横島邸の部屋の隅にある座布団。
そこには今もマダラ模様の卵の殻が鎮座している。
















所替わってアメリカ大陸の某海岸

「此処は一体どこじゃああぁぁぁぁっっ!!!!!」

あるバンダナ少年の白亜紀サバイバル物語は、その幕をあげたばかりであった。











おしまい






後書きのようなもの

え~と、キツネそばです。
大長編?劇場版?そんなの無理ですよ^^;
あと、白亜紀に東京が海面上にあったかどうかなんて知りませんw

(( ̄^ ̄ )ゞ
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