SS徒然未分類リネ日記
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2007.04.09 Mon
注意!ものすごく注意!!
おキヌちゃんLOVEな人は絶対に読まないでくださいm(_ _;)m
















清々しい朝。
白いレースのカーテンから柔らかな日差しが差し込み、外からは雀のさえずる声が聞こえてくる。

ジリリリ~

目覚まし時計の音が鳴り、ベッドで熟睡していた人物は、寝ぼけ眼を擦りながら身を起こした。

「ん~~~っ」

軽く伸びをして立ち上がる。腰まで届く長い髪と健康的な四肢がまぶしい。
本人まだ寝ぼけているらしく、壁を見つめたまましばらく立ちすくんでいたのだったが、掛けてあったカレンダーを認めると、焦点のさだまっていなかった目が急速に光を取り戻す。

「──そうだ!今日から学校!」

氷室キヌ17歳(♂)。東京での新生活の始まりであった。






  ~ おキヌちゃんフォーエバー  の後日談 ~






さて、紆余曲折を経て300年続けた幽霊生活にピリオドをうったおキヌであったが、さらに込み入った事情を経て、美神除霊事務所に帰ってきた。
この辺は、霊団に追われたり、ネクロマンサーとして覚醒したりと結構ハードな話なのだが、本編ではどうでもいいため割愛してしまう。

それからさらにさらに、おキヌが美神と住むと決まってからの、某バンダナ少年をメインキャストとした喜劇と悲劇と撲殺劇があったのだが、それこそ本当にどうでもいいためとっぱらい。

とにかく、人間として生き返ったおキヌは、以前のように美神除霊事務所の住み込みアシスタントとして東京で生活するようになったのだ。




フンフンフーン♪

鼻歌なんかを気持ちよさそうに歌いながら台所で朝食を作るおキヌ。
少しの間あけていたとはいえ、ずっと自分が使っていたキッチンである。勝手知ったるなんとやら、シメサバ丸も心なしか切れ味がいい。

そんな感じで手を動かしていると、眠い目を擦りながら美神が起きてきた。

「───ふあぁぁ……おはよ~おキヌちゃん…」

美神令子は朝が弱い。起きぬけはいつもこんな感じだ。

「おはようございます美神さん。朝食はちょっと待ってくださいね」

そう言って、おキヌはリビングについた美神にお茶を出す。
美神はそれを受け取った。
……のだが、そこであることに気づいてしまった。

「……え~と…おキヌちゃん、その格好…」
「あ、どうですか?似合います?」

美神に気づいてもらって嬉しいのか、おキヌはその場でクルッと回ってみせた。

清潔感あふれる白い袖
おろしたてなのが分かるパリッとした大きな襟
その襟を飾るリボン
ふわふわとたなびくプリーツスカート

一分の隙もない女学生(セーラー服着用)がそこにいた。

「……あーーうん…似合ってる……わよ」

美神の言うことに偽りはない。たしかに似合いすぎるほど似合っている。
ぶっちゃけ言って、見目は美少女以外のなにものでもないのだから。

「やだ~、照れちゃいますよ~」

おキヌは両手をもじもじさせながら、時折イヤンイヤンと首を振ったりしている。
もう一度言おう。見目は美少女以外のなにものでもない。


──────まっいっか


美神はそこで考えるのをやめた。だって、多分ひどい目にあうのはあの男だろうから。







とある高校。男女共学の極めて一般的な高校である。
そして、そんな高校の生徒の中に、あの男こと横島忠夫という人物の名があった。

「おおー珍しいな、横島が登校してくるとは」

朝から登校してきた横島を見つけ、級友のメガネ(本名知りません)が彼を迎えた。

「俺だってたまには登校くらいするわい」

”たまには”と言っている時点でダメなことに気づいていないのが横島の横島たるゆえんか。だが、メガネはそんな彼の言葉をうっちゃっておいて、横島に詰め寄ってきた。

「…フフフ。さすがだな横島」
「…なにがだ?」

そして顔を寄せて小声で話すメガネ。

「今日、転入生が来るという情報がある」

横島の目が光った。

「…女か?」
「…今朝職員室で見かけた奴の情報では……特Aの美少女らしい」

もはや言葉はいらない。いくつもの戦いを乗り越えてきた戦友のように目と表情だけで全てを理解しあった。
周りを見てみると、既に男共は臨戦態勢である。そう、既にここは戦場だ。


ガラッ

「席につけ~~」

教室の扉が開き、頭髪の寂しい担任の教師が入ってきた。
ガヤガヤと其々の席にもどる生徒達。

「え~、転入生を紹介する……入ってきなさい」

そして、転入生は教室に足を踏み入れた。

長い黒髪、長くのびた肢体、やさしげな美しい容姿。
まさに天使!いや女神!否!幽霊!?

男子達は息をするのも忘れて、目の前の奇跡を眺めた。
女子達も思わず嘆息していた。

「氷室キヌです。今日からよろしくお願いします」

その声が堰を切ったのか、とたんに歓声に包まれる教室。中には涙を流している者も居る。

「「「お、おキヌちゃん!?」」」

だが、若干名リアクションが違うものもいる。その筆頭が横島忠夫であった。

「あ、横島さ~ん♪」

教室の中に横島を認めると、おキヌはそちらに向かって小さく手を振った。
ラブコメやら、その手のものに付き物といってもいい『神のしぐさ』である。

「「「「「「憎しみで人が殺せたら…」」」」」」

その瞬間、もの凄い殺意が教室に充満したという。






んで、ご都合主義というか、なんというか、1限目はなぜか自習だったりした。
当然のようにおキヌの周りには、人だかりが出来ていたりする。

「…おキヌちゃんて、あの幽霊だったおキヌちゃんなんだ」

説明を聞いて、愛子が皆を代表するように言った。
たしかに言われてみれば、おキヌである。
彼女達は数度おキヌと顔をあわせたことはあるのだが、正直接点がそれ程多くなかったため、言われなければ分からなかったのだ。

「しっかし、転入生がおキヌちゃんだったとは、夢にも思いませんかったノー」
「ほんとに、驚きました」

横島の次におキヌを良く知るタイガーとピートが言った。さすがに彼らは一目で分かったらしい。

「えへへ…また仲良くしてくださいね?」

そんな二人に笑いかけるおキヌ。必殺ニコパ光線だ。

「うぐっ!?」

そして、直撃を受けたタイガー。なにやら動悸がおかしい。

「…ワッシは……ワッシは……エミさん一筋のはずですけん………だがこの気持ちはーー……」

そのままタイガー寅吉は、己と格闘をはじめてしまった。




そんな空気のなか、只一人別次元の雰囲気をまとっている男がいた。
横島忠夫である。

「……え~と…おキヌちゃん、その格好は?…」

言おうか言うまいか、かなり悩んだが、遂にその言葉が口からでた。

「あ、どうですか?」

そんな横島の言葉を、受信機は誤動作全開で受信したらしい。
両手をモジモジさせながら、目の前の男の言葉を待っている。

「…あ~、その…なんだ……よく似合っているとはおも……」
「ほんとですか!?嬉しいです!!」

感極まってしまったのか、おキヌは横島の言葉を遮って抱きついていた。


ガタッ


一斉に立ち上がる男達。お約束すぎる展開に二度目はない。
そのまま横島をガッチリと確保すると、教室の隅まで引きずっていった。

バキッ!ドカッ!ボコッ!!ドゲシッ!!
うがっ──ちょっ──まてっ──ちがっ!


そんな楽しげな撲殺音をBGMにして、1限目の終了を告げるチャイムが鳴った。
ただ、困ったことにチャイムが鳴り止んでも、軽やかな打撃音は止むことがなかったのであったが。






チャイムが鳴り止むと、学校というところは休み時間となる。無論この高校も例外ではない。
通常ならば、休み時間こそ転校生への質問タイムなのであるが、この度は1限目が実質ソレにあたったため、休み時間という区切りは質問タイムを一段落つけることになった。

「あの~愛子さん」

そして、解放されたおキヌは、少し恥ずかしそうに愛子を呼び止めた。
なにやら小声で話す。

「わかったわ、ついてきて♪」

なにかを了承した愛子は、おキヌを連れ立って廊下へと出て行った。

……………………
………………
…………
……

「「「「!?!!○×△□」」」」
「おっ!おキヌちゃん!?」


遠くの方から言葉にならない悲鳴と、愛子の叫び声が聞こえてきた。
しばらくすると、愛子がおキヌを引っ張って、教室に戻ってくる。

「おキヌちゃん!あっちは男子トイレでしょ!!間違っちゃダメじゃない!!」

もの凄い剣幕でまくし立てる愛子。
だけどね……

「?わたし男の子ですよ??」

────包まれる静寂……そして

「「「「なっなんやてぇ────っ!!??」」」」

某日本パンの突込み役のような叫びが木霊した。


「お、おキヌちゃん、男の子だったの??」

今だ信じられないというように、愛子が言った。
上から下までマジマジと眺める。どこからどうみても女の子にしか見えない。否とびっきりの美少女にしか見えない。

「ええ、そうですよ♪あれ?言いませんでしたっけ?」
「「「「聞いてないよ────!!!!」」」」

こんどはトリオのお笑い芸人だ。

「だ、だって…その服……?」

おそるおそるという感じで、愛子はキヌのセーラー服を指差した。
まわりも「うんうん」と肯いている。

「?変ですか??」

おキヌはキョトンとした表情で、逆に聞き返してくる。本人まったく変と思っていないらしい。

「変とかじゃ……いえ変なのかしら??────と、とにかくセーラー服は女子生徒が着るものなのよ?」

「────!?」

愛子の説明におキヌはショックを受けたらしい、口元に手をあて、目を見開いている。

「…し、知りませんでした」
「…そ、そう?……でもわかってもらえて…………」

愛子は、とりあえず言いたいことが伝わったらしいことに満足したのだが

「────明日からはブレザーにしますね♪」

「「「「なんでやねん────っ!!??」」」」

まったく伝わっていなかった。

とにかく、男性が女性の服装をすることはおかしいのだと、一生懸命説明する愛子。
おキヌはそれをだまって聞いていたのであったが。

「?稚児とか色子とかないんですか??」


────そうだった、この人は300年前の人だったよ(汗)

氷室キヌ。記憶を取り戻してすっかり300年前の風習に精通。
そして、現代常識を一部喪失……。




…儚い夢だった…そう美しい幻だった……

とにかく一連のやりとりにて、女神とまであがめた美少女が、実は美少年であったことを知ってしまった男達。
最前の高揚が大きかっただけに、落胆は計り知れない。
皆が、おいたわしい雰囲気に包まれて、肩を落としたり、お互いに慰めあったりしていた。

しかし、そんな中、真の漢が目覚める。




「ワッシはかまわんですケーーーー!!!!」

「「「「なにぃ────っ!!??」」」」





タイガー寅吉。何かが開眼してしまった瞬間であった。
そして、この衝撃は、凄まじい威力で何かを破壊していく。

「…たしかに……性別なんて………いや、待て俺!いいのか?それでいいのか!?」
「…美しさとは……そう萌えとは性別ではない……はず?なのか?そうなのか!?」


激しく己の何かと戦う漢達。
大切なものを守ろうとする聖戦、その姿は涙なくしては見ることが出来ない。




ここまでで、既にレベル4並の汚染を撒き散らしていた教室であったが、残念ながら、これで終わりではなかった。
惨劇は続く。

「そんな!困ります!わたしは横島さんが好きなんです!!

「「「「なっなんやてぇ────っ!!??」」」」

「「「「801よ!青春だわ────!!!!」」」」


おキヌの爆弾発言。
いや普通ならそんなに爆弾ってこともないのだが、経緯が経緯だ。ここでその発言はメガトン級の威力を持つ。
そんな爆風に一部腐女子は大興奮。染まっているのか愛子の鼻息も荒い。

「わたしの生きていた頃は、衆道は『普通』のことです」

なぜかエヘンと胸を張るおキヌ。




ピクッ




普通という名の甘美な麻薬。
誰しも胸に秘めた想いというものがあるとはおもう。受け入れられまいと思うがこその秘めたる想い。現実に触れれば崩れ去ってしまう幻影。
だが、その想いが『普通』という硬い防壁で守られるものだと知ったならば……
現実と直面しても耐えられる性質のものだと知ったならば……

切なさと愛しさと心強さの微妙な混ぜ物は、秘めたる深淵より浮き上がってしまい、開けてはいけない蓋をこじあけてしまう。

…そして、最後のケモノが解き放たれた。




「…!そういうことなら…………横島さんは譲れません!!




ピート参戦……




もはや教室は収拾不能な魔空間。

「……勝ったのか?……俺は勝者なのか?……」

横島の呟きを聞くものとていない。



氷室キヌ17歳(♂)。東京での新生活は始まってしまった……










おしまい






後書きのようなもの

え~と、キツネそばです。あぁ生卵をなげないでください(泣)
これで本当に、このネタはうち止めにしますから;

とにかく混沌風味にしてみました。

おキヌちゃん大好きですよ……いあホント^^;

※おキヌちゃんの年齢
 六道編入の際「1-B」とあったので、15か16だと思われるのですが、
 ネタのために捏造してます。
 性別偽造に比べれば些細なこと(?)とお許しくださいm(_ _;)m
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